第5回 DPC病院の収入を計算してみよう!


 今回は医療とお金を考えるうえで,知っていなくてはいけない用語をまとめる.
 さらに前回までのDPCの考え方,今回の最低限の用語を理解したうえで,大腿骨頚部骨折を例に挙げて,DPC病院の収入を計算してみよう.

DPCのおさらい

 医療において得られるお金(収入)のことを診療報酬という.日本では国が定めた診療報酬点数表というものがある.言ってみればメニューみたいなものなんだ.そのメニューに従って病院はお金を得ることができるんだ.前回まで書いてきたDPCとは,2003年から始まった診療報酬を得る新しい仕組みのことなんだ.
 すべてお金の請求は点数という形で行われるんだけど,点数は1点=10円で計算するんだ.

基本用語

 前回までの話を理解するために必要な基本的なコトバ,包括請求,出来高請求,加算についてまとめたので,しっかり覚えておいてほしい.
 簡単に言えば,DPC病院の収入とは,「DPC病院の収入=包括請求+出来高請求+加算)ということなんだ.
 収入を上げようと思えば,メニューに書いてある高い包括請求の疾患と出来高と加算をガンガン請求すれば,売り上げが上がる感じだよね.
さらに前回も書いたけど,包括請求のなかには各病院の働きぶりを評価する「医療機関別係数」というものがあり,各病院ごとに係数が決められているんだ.
 さて,難しいコトバを説明してきてたけど,実際どのように請求されているか想像しにくいよね? 一緒に計算してみよう.